出雲大社(IZUMO-OYASHIRO)・祓橋(HARAE-NO-HASHI)
建築様式(造り)
- 太鼓橋
材質
- 石製
擬宝珠の数
- 左高欄7個、右高欄7個(合計14個)
施工(寄進者)・管理業者
- 島根県
出雲大社・祓橋の読み方
「祓橋」は「はらえのはし/はらいのはし」と読みます。
勢溜の鳥居を抜けて祓社で身を清め、参道をしばらく進むとやがて眼前には石製の橋が出てきます。
この橋こそが「祓橋」です。
祓橋の由来・意味など
神宮(伊勢)をはじめとした神社の境内でも、このような橋を見かけることがあります。有名な所で神宮の宇治橋、火除橋、宮島・厳島神社の勅使橋、大阪・住吉大社の太鼓橋などです。
このような橋が境内に架かっている理由として、やはりここから先が神域であると言う、意味合いがあります。
出雲大社の場合は、下に聖なる川である「素鵞川(そががわ)」が流れています。
素鵞川は出雲大社の背後にそびえ立つ「禁足地・八雲山」から流れてくる精気に満ち溢れた清流です。
この清流・素鵞川を跨ぐことで入口の祓社と2重で身を清めていただけることになります。
つまり、それほど御本殿が神聖な場所であると言う気持ちに改めて気づき、身が引き締まります。
祓橋からは「鉄製の鳥居」が見えており、この鳥居の向こう側には「松並木道の参道」が参拝者を待ち受けています。
明治時代までは勅使しか通れなかったと言われる神聖な参道です。
祓橋の建築様式(造り)
祓橋は擬宝珠と高欄(こうらん/柵)付きの太鼓橋になります。「太鼓橋」とは、中央部分がフックラと盛り上がっている橋のことです。
代表的な太鼓橋に「住吉大社」境内入口の「太鼓橋」があります。
出雲大社の祓橋も分かりにくいですが、中央が少しフックラとしているのが分かります。
祓橋の高欄の親柱の上には、お寺や神社でよく見かける「黒の擬宝珠」が据えられています。
擬宝珠とは、「擬似の宝珠」と言う意味合いがあります。
擬宝珠が据えられていると仏教色が強い印象を受けますが、擬宝珠の起源が定かではありませんので、一概に仏教と紐づくものでもないとも云われています。
えぇっ?!祓橋は出雲大社の橋ではなかった!?
この祓橋は出雲大社の境内に架かっているため、一見すると出雲大社の橋のように思われます。
しかし実のところ、なんと!施工は島根県が執り行い、管理も島根県がされているようです。
そして、祓橋を管理するのが島根県だと言う理由は、下に流れている川(素鵞川)を総括管理しているのが島根県だからと言う解釈になります。
出雲大社・祓橋の場所(地図)
出雲大社・祓橋は勢溜りの鳥居をくぐり、祓社で身を清めた後、参道を直進すると見えてきます。
また、境内瑞垣内の西門の外にも石製の短い橋が架かっており(神楽殿と西門の間の橋)、この橋も「祓橋」と呼称されているようです。