出雲大社・神在祭「神等去出祭」
神等去出祭の読み方
神等去出祭とは「からさでさい」と読みます。
神等去出祭とは?「日程・時間など」
神等去出祭とは、名前の通り「神々が去り境内を出る」などの意味合いがあります。
つまり、神々のお帰りをお見送りする儀式です。
旧暦10月17日の16時に、八百万の神々はいよいよ出雲大社の境内からお発ちになります。
出雲大社の神職の方々は東西の十九社へ訪れるために、二手に分かれて神々をお迎えにあがります。
そして神迎祭で八百万の神々を迎えるために依り代とした「神籬(ひもろぎ)」を神迎祭の時と同様に「純白の絹(絹垣)」で覆い、今度は拝殿へと入ります。
拝殿に入ると神前に2本の神籬と龍蛇神様の御神体がお祀りされます。
その他、神饌(しんせん/お供え物)が供進され、出雲国造(宮司)による祝詞が奏上され、最後のお発ちの儀式が執り行われます。
そして儀式が済むと神職の方が1人代表で本殿前の楼門(ろうもん)の前に出て「お発ち~ぃ」と発して扉を1回叩き、再び、「お発ち~ぃ」と発して扉を1回叩き・・これを3回繰り返します。
八百万の神々はこの神職さんの声と共に次々に扉からお出になられ、次の訪問先へ向かわれます。
次の訪問先とは、出雲市内の他の神社のことです。
この後に主祭神である大国主大神に八百万の神々が次の土地へ向かわれたことをご報告します。
他の訪問先の神社の詳細は当サイトの以下↓別のページにてご紹介しております。
関連記事:出雲大社以外の「神在祭」
ところで・・「十九社」とは?
十九社とは「じゅうくしゃ」と読み、ここは八百万の神々の宿舎される場所です。
十九社の場所は、出雲大社境内の左右にある長い殿舎になります。
十九社は、八百万の神々のための宿舎になりますので普段は扉が閉められています。
つまり十九社の扉が開かれるのは1年に1回、八百万の神々が滞在される「神在祭の期間中のみ」扉が開かれます。
尚、十九社に関しては当サイトの以下↓の別ページにてご紹介しております。
えぇっ?!「神等去出祭」って2回もやるの?その理由とは?
すでに上述しておりますが、出雲大社を出発した神々は出雲地方の他の神社で行われる「神在祭」に向かいます。
神々は9日間、上述の出雲の各神社へお立ち寄りになります。
つまり正式に出雲の地をお発ちになられるのが、出雲大社の神等去出祭から9日後になります。
出雲大社では、神々が出雲の地をお発ちになられる日にも、再度、神等去出祭を執り行います。
これが「第二神等去出祭(だいにからかでさい)」と呼ばれる神事になります。
第二神等去出祭の内容
第二神等去出祭を執り行う理由は、八百万の神々が出雲の地から自らが鎮座される各地への旅の無事を祈願する儀式です。
神に対して無事というのも少しヘンな感じがしますが・・まぁそれはさておき。
第二神等去出祭でも同様に御本殿前の楼門前にて祝詞が奏上され、同様に神職さんが「お発ち~ぃ」と発して扉を1回叩き、再び、これを3回繰り返します。
その後、神々が日本各地へ帰られたことを主祭神である「大国主大神」にご奉告(報告)します。
正式には第二神等去出祭をもって神在祭は終了となります。
ところで・・第二神等去出祭は見学できる??
残念ながらこの儀式は一般の方の見学はできません。
八百万の神々の無事のご帰還を祈られるのであれば、拝殿からソっとお祈りしましょう。
神等去出祭の日は家に籠る?
松江や出雲地方には古来、神等去出祭の日は家に籠り、外へ出ては行けないという暗黙のルールのようなものが踏襲されています。
この理由は神等去出祭の日は神々が去って行くことから、出会って姿を見てしまうことが非礼とされているからです。
神等去出祭の日の夜は便所に行ってはいけない?!
こんな話もあります。
なんと!松江や出雲地方では、神等去出祭の日の夜は決して屋外の便所に行ってはいけないという決まりもあります。
もし便所に行ってしまった場合、「神等去出婆(からかでババア)」もしくは「神等去出爺(からかでジジイ)」という妖怪が出てきて「ケツ(尻)を撫でられる」と恐れられているからです。