出雲大社(IZUMO-OYASHIRO)・祓社(HARAE-NO-YASHIRO)
創建年
- 不明
建築様式(造り)
- 切妻造
- 妻入
御祭神
- 瀬織律比咩神
- 速開都比咩神
- 気吹戸主神
- 速佐須良比咩神
社格
- 出雲大社・末社
例祭日
- 6月30日
- 12月31日
格式(社格)は「本社>摂社>末社」となります。
出雲大社・祓社の読み方
「祓社(はらいしゃ)」ではなく、「祓社(はらえのやしろ)・(はらいのやしろ)」と読みます。
出雲大社・祓社の役割
出雲大社の正門となる鳥居「勢溜の鳥居(せいだまりのとりい)」をくぐって徒歩約2分ほど参道を進むと、右側に一番最初に参拝者を出迎えてくれる、少し小さな「お社」があります。
その小さなお社こそが「祓社」です。
祓社は小さなお社ですが、4柱の「祓戸四柱神(はらえどよはしらのかみ)」が祀られていて、参拝者が自分では気が付かないような「小さな罪や穢(けがれ)」なども含めて、全て祓い清めて下さいます。
祓社のご利益と御祭神「祓戸四柱神(祓戸の神)」
祓社では、以下の4人の神様がお祀りされています。
祓戸四柱神は何の神様?
瀬織律比咩神(せおりつひめのかみ)
鎮座地:滝もしくは瀬(川)の神
ご利益:禍事・罪・穢れを川から海に流す
速開都比咩神(はやあきつひめのかみ)
鎮座地:河口の神
ご利益:海の底で待ち構えて禍事・罪・穢れを飲み込む
気吹戸主神(いぶきどぬしのかみ)
鎮座地:風の神
ご利益:禍事・罪・穢れを飲み込んだのを確認して、根の国、底の国に息吹を放つ
速佐須良比咩神(はやさすらひめのかみ)
鎮座地:潮流と潮渦を司る神
ご利益:根の国、底の国に持ち込まれた禍事・罪・穢れをさすらって失う
これら祓戸四柱神は主として水を司る神です。水は時に災害をもたらしますが、人間の生活には欠かせない大自然の恵みであり、身体を清めてくれるものであります。
4柱で協力して参拝者の罪や穢れを祓って下さいます。
ちなみにこのような祓社は出雲大社だけにある特有の社ではなく、日本全国のある程度の規模の神社へ訪れれば入口付近にあります。
代表例をあげますと伊勢神宮や明治神宮です。鎮座される場所としては、どこの神社でも、おおむね境内入口の手水舎の付近にあります。
ところで・・出雲大社の祓社の参拝はやっぱり「二礼四拍手一礼」??
..などと言う、疑問をお持ちの方も多いハズです。
出雲大社の境内は、古来、「二礼四拍手一礼」という参拝の作法があります。これは一般参拝者にも適用されている特殊なお祈りの作法となります。
「二礼四拍手一礼」の作法
お賽銭を入れてぇ〜→ 鈴を鳴らしてぇ〜→ 2回90度のお辞儀をしてぇ〜→ 4回拍手を打ってぇ〜→ 最後に90度のお辞儀を1回するぅぃ〜→ 立ち去る
これに倣い、当然、祓社でも「二礼四拍手一礼」の作法でお参りするのが礼儀です。
ただ、近年、スマホを例とした電子機器の普及拡大により、情報が手軽に入手できるせいか、祓社へ参拝する方が増えています。
参拝者が増えてくると、主に土日祝や連休(GW)などに行列が発生することがあります。
祓社は出雲大社の入口付近に位置することから、行列ができると勢溜の鳥居の手前ぐらいまで列ができてしまこともありますので、「二礼四拍手一礼」に慣れていない方や、緊張して上手く行える自信のない方は、無理に二礼四拍手一礼をせず、あえて普通の神社の拝礼である「二礼二拍手一礼」でも良いとされています。
出雲大社に参拝に来られた方の多くは、観光をメインとして普段、神社に行かれない方も多いはずです。
普段、あまり神社に行かれない方からすれば、通常の神社の拝礼である「二礼二拍手一礼」を行うのも一苦労のハズです。
大切なのは、神様に対して真摯にお祈りを捧げるその心だということです。
出雲大社・祓社の場所(地図)
祓社の場所は、正門(勢溜の鳥居)から入ってスグの右側です。
関連記事:島根県・出雲大社の境内の詳細「案内図(地図・マップ)」(ダウンロード可能)
おわりに・・
祓社は、正門(勢溜りの鳥居)から入ってスグの右側にヒっそりと建っているため、その存在を知らずに通り過ぎてしまう方もおられます。
気づいた時でも構いませんので、是非、祓社(はらえのやしろ)へも立ち寄って参拝してみてください。