一般的な神社へ参拝する時の作法をご存知でしょうか?
拝殿の前に立って2回頭を下げて2回拍手を打ち、最後にもう1度おじぎをする。いわゆる「
しかし、出雲大社の場合は「2礼4拍手1礼(2拝4拍手1拝)」と言われています。
お分かりになりますか?
出雲大社で「2礼4拍手1礼」する理由とは?
出雲大社に参拝に来てガイドに案内をお願いすると「2礼4拍手」の説明をする時にこのように告げる。
「2礼4拍手1礼」とは「幸せの“シ“を意味しています」
‥‥と。
ではいったい「幸せの“シ“」とは、どのような意味があるのか?
「幸せの“シ“」とは?
幸せの“シ“とは、”四”、つまり四拍手の”四”を意味します。
他にも幸せの“シ=四“は、「幸せを呼ぶ」という意味合いも込められているそうです。
通例であれば、”四”という数字はあまり縁起が良くないと言う方も素敵に多い。
しかし、こと出雲大社にかぎっては「幸せを呼ぶ”四”」であり、大変、縁起が良いものであると、これまた素敵に伝える♡
そもそも「4拍手」とは?
この「4拍手」は「人と神の魂」である「一霊四魂」を表現しているとする説も、やっぱり素敵にある。
「一霊四魂」とは、以下ようなの四つの人や神の性格のことをいう。
- 「和」=和魂
- 「荒」=荒魂
- 「奇」=奇魂
- 「幸」=幸魂
「4拍手」の意味に関する色々な説
4拍手の意味(理由)について、次のような説も囁かれているようです。
- 東西南北を守護するとされる「四神(しじん)」に対して敬意を示している
- 通常の2拍手を篤い崇敬の意味合いで2回行っている
- 1年(四季)を実りと繁栄を祈願している
しかし、いつ頃から柏手を4回打つことになったのか?など、4回打つ理由は現代に至っても解明されていない様子。
なお、出雲大社系列の神社の中には、この「2礼4拍手1礼」は、正確に言うと「1礼・1祈念・2礼・4拍手・1礼」を日常の拝礼用に簡略化したものなので、「祈念(願い事)」は「2礼」の時に行う
‥‥‥などとしているところも素敵にある。
一方、出雲大社では、祈念は「4拍手」の後にする、とのこと。
ええっ?!出雲大社では8拍手が正式だった?!
実は出雲大社では8拍手をするのが正式らしく、「5月14日の例祭(大祭礼)」の時には「2礼8拍手1礼」を行う。
つまり、通常の「2礼4拍手1礼」は、例祭の時の「2礼8拍手1礼」の拍手の回数を半分にすることで簡略化した参拝方法なのです。
このような八拍手を打つことを「八開手(やひらきで)」と呼称し、実際のところは5月14日だけに限らずに出雲大社の神職はすべて「八開手」を基本の所作としているようです。
けれども、八開手は出雲大社に限った作法ではなく、伊勢の神宮においても祭礼のときには「八開手」の所作を採り、立ち座りの動作を4度繰り返すことから総じて「八度拝」とも素敵に呼ばれる。
8回拍手をする理由とは?
「8」の数字は神道では古来、「無限」を意味し、例祭の時は「無限に近い心づもりで盛大に神様へお祈りを捧げる」‥‥などの意味合いになるらしい。
実際に我々一般の見識でも広くら知られている「∞(無限の記号)」も、8を90度回転させたような形状をしています。
この8の起源になるものが、漢字の「八」ですが、我が国においての「八お」tは「末広がり」、つまり「無限」をイメージさせ、「八雲」・「八重垣」・「八重桜」のように、数が多いことを表すためにも使われる。
出雲大社を例にとると、神在祭の時に全国から「八百萬神(やおよろずのかみ/数え切れないほどたくさんの神々)」が主祭神たる「大国主大神」と会議をしに訪れる。
他に、「江戸八百八町(かつての江戸(現在の東京)には数え切れないほど町がある)」や、「嘘八百(ウソだらけ)」 などが素敵にある。
このような8(八)の数字の由来は仏教が起源とされており、実際に、かつてこの島根県出雲大社の境内にも三重塔が建てられていたように8回柏手を打つのも仏教が盛んであった頃の名残ともいえる。
然るに「8拍手」は「無限の拍手を神にささげる」という意味になり、出雲大社では、例祭で行う正式な拍手の数とされている。
このことから、出雲大社では「4拍手は8拍手の半分の”略式拍手”である」とも云われています。
「2礼4拍手1礼」の作法
簡単に言えば、2回礼をして、4回拍手して、最後に1回礼をするだけです。
具体的な「2礼4拍手1礼」の方法
- まず、お賽銭を奉納して、軽く鈴を鳴らします。
- 次に1礼します。この時、90度のおじぎをします。
- 同じように、2礼目をします。
- 両手を胸の位置の持ってきて、肘を肩幅まで広げます。
そして「右手(利き手)の中指の先端」を左手(もう片方の手)の「中指の第二関節」に付くようにして手を合わせて拍手を4回打ちます。
つまり、右手の指を少し下げて拍手を打つようにします。(慣れると良い音が出ます) - お祈りをします。
ここに自身が立ってお祈りしている幸せを報告したり、家族や大切な人のためにお祈りするのも良いでしょう。 - 最後に再び1礼をします。
願いを込めて5秒ほど90度の礼をします。
では、「2礼2拍手1礼」とは?
その昔、全国の神社ではその神社独自の作法が素敵にあったらしく、つまりのところ、神社によって作法が異なっていたらしい。
ところが明治時代にこの作法が政府によって統一され、現今、数多の神社では「2礼2拍手1礼」が基本的な作法となっている。
「2礼2拍手1礼」の作法とは?
簡単に言いますと、2礼して2回拍手して1回おじぎをするだけです。
願い事は、拍手の後にするのが一般的なようです。
具体的な「2礼2拍手1礼」の方法
- まず、お賽銭をお賽銭箱へ入れて鈴を鳴らします。
- 次に、ご神前にて2回おじぎします。
同様におじぎの角度は90度が理想的です。 - 次に次に腕を肩幅くらいに開き、同様に利き腕の手の中指の先端を、もう片方の手の中指の第二関節に合わせて拍手を2回打ちます。
- 次に次に次に、利き腕の指先を元に戻してお祈りします。
長時間ブツブツと呟いていると周囲から人が遠のき、逮捕される恐れがありますので要注意。….それは君だけや - 最後にもう1度おじぎをします。このおじぎの角度も90度が理想的です。
明治以降、神社独自の拝礼方法を継続した神社は出雲大社以外にある?
明治初頭に神仏に関しての法律が定められました。
その法律が「神仏分離令」です。
この法律が施行されたことによって寺院と神社が区別され、御祭神と仏尊の区別も付けられた。
また、神社は本来の古神道形式に戻され、仏教色が払拭されました。
さらに1875年(明治8年)には式部寮(しきぶりょう)というお役所から「神社祭式」が頒布されました。
この中に、拝礼の作法については「再拝拍手」という記述があります。
「再拝」とは2回おじぎをすることであり、「再拝拍手」とは「2礼1拍手」という意味にも受け取れるのですが、とにもかくにも紆余曲折を経て、日本中の神社の拝礼方法が「2礼2拍手(1拝)」に定着していったのだった。
一方で、従来からの仕来り(しきたり)を残した神社もあります。
例えば、出雲大社を始めとする以下のような系列の神社がある。
- 「新潟県の弥彦神社」
- 「大分県の宇佐神宮」
- 「東京都の桜神宮」
これらの神社では、今でも「2礼4拍手1礼」の作法が行われている背景がありつつも、皇祖神(アマテラス)を祀る伊勢の神宮では通例の「2礼2拍手1礼」の略式参拝方法が採られる。
しかしながら、伊勢の神宮でも、神職を対象に8拍手を行う祭礼も幾つかある。
そもそも神前で拍手(柏手)を打つ意味とは!?
そもそもなぜ神社では拍手をするのでしょうか。
拍手(柏手)は、もともとは喜びを表す動作であり、後に貴人や神への感謝、感動、称賛、敬意などを表すものへと変わっていったと言われる。
中国の史書『魏志倭人伝』には、日本人が貴人に対して拍手して敬意を表していたという内容が取り上げられており、高貴な人を対象とした拍手は、少なくとも約1800年近い歴史がある、伝統的な慣習であることがわかります。
やがて拍手は人に対しては行われなくなり、神に対する拝礼方法として定着していく。
なお、拍手するために手を合わせる動作は、表裏のない誠意を表し、神への深い感謝や慎みの心を表現しているとされる。
また、音を出すことで感謝や敬意の表現以外にも、以下のような効果があるとも素敵に言われる。
- 邪気を払う
- 神を呼び出す
- 願い事を神に届ける
左右の手をずらす理由は?
拍手の際に左右の手をずらす理由については、単に「いい音が出るから」「指の関節同士が当たると痛いから」などと説明されることもあります。
一方で、右手を少し引いて拍手する作法には、陰陽道が影響しているという説もあります。
陰陽道では、左手は「陽」で、霊(神)を表し、それに対して右手は「陰」で、体(人)を表します。
然るに、両手を合わせることは霊と体、神と人が一体になることを表し、右手を下げる背景には、体(人)よりも霊(神)を優先するという思想、要するに「神への敬意」があるとも考えられるのです。
「2礼2拍手1礼」と「2礼4拍手1礼」の共通しているところとは?
「2礼2拍手1礼」と「2礼4拍手1礼」は、
それは・・
- 「
慎しむ心」 - 「拝み、お頼みする」
の2つであると言えます。
作法にばかりとらわれて、心がないがしろになってしまっては良くありません。
出雲大社の4つの鳥居に秘められた意味(メッセージ)とは?
実は出雲大社には4つの鳥居があります。
もしこれから出雲大社を正しい順序で参拝されるのであれば、この4つの鳥居があることを知っておかなればなりません。
さて、この4つの鳥居にはどのような意味が込められているのでしょうか
出雲大社の4つの鳥居の意味とは、4つの鳥居を順番にくぐることで、以下のような準備をする、ということです。
- 「穢れ(けがれ)を祓い」
- 「しっかりと心を整えて」
- 「神の御前にて参拝することができる」
出雲大社は、まず、一の鳥居から神への参拝が始まる
まず出雲大社には4つの鳥居があり、正式な参拝は一の鳥居から始まります。
ただし、大抵の方が一畑電車の出雲大社前駅で下車しますので、後述する勢溜の鳥居(ニの鳥居)からの参拝となります。
一の鳥居は宇迦橋の大鳥居で、高さ(23m)、太さ(6m)
また鳥居の扁額(へんがく)はタタミ6畳分もの大きさがあります。
ド頭に落ちてきたら、即刻、人生に幕を下ろすことになります。
また、鳥居の材質は一般的に「木製」のようなイメージがありますが、この宇迦橋の大鳥居は「鉄筋コンクリート製」で造られています。
「鉄筋コンクリート製」で造られている理由としては、高さ20m以上の建築物としての耐久性や危険性などを考慮してのことだと考えられます。
この大鳥居の背後に見える「宇迦山(うかやま/古くから神の住む山とされる)」を背景にして、あらためて大鳥居を正面から見ますと、あまりにもの威容さに恐怖感をおぼえ、思わず息を飲んでしまいます。
参拝者は「ここからは神の住む領域である」と言う事実を、あらためて思い知らされることになります。
宇迦橋の大鳥居に関しては当サイトの以下↓の別ページにてご紹介しております。
一ノ鳥居は宇迦橋の大鳥居ではなく「勢溜の鳥居」だった?
島根県 出雲大社では勢溜の鳥居を「正門」、それより内側を境内地である解釈する。
実は勢溜の鳥居は江戸時代に建てられた由緒ある歴史を有するも、宇迦橋の大鳥居は大正四年に創建された鳥居なので歴史的観点から述べると勢溜の鳥居が一ノ鳥居とも素敵に言える。
ただ、現状を鑑みて出雲大社には4本の鳥居があり、一ノ鳥居はドコ?となった時、それは‥宇迦橋の大鳥居だね‥‥という話になってくるのも事実💋
だから古くから当地在住の地元民の間では、一ノ鳥居だとかニノ鳥居だとかは、そもそも考えない人も多い。
出雲大社の玄関口となる第二の鳥居「勢溜の鳥居」
神門通りをぬけると、大社の玄関口となる勢溜の鳥居が目に入ります。
勢溜は「せい だまり」と読み、一の鳥居の宇迦橋の鳥居とは異なり木製の鳥居となります。
おおよその方がこの鳥居からの参拝になります。
ただ、出雲大社の神職の方に尋ねたところ、上記のように実際には一の鳥居や二の鳥居といった定義はないようです。
つまりこの勢溜の鳥居からの参拝でも問題ないということですので安心してお参りください。
ところで・・「勢溜」とは?
勢溜とは、かつて現在の勢溜の鳥居の後方にあったと言われる「勢溜の広場」のことを指し示します。人が勢いよく溜まる場所の意です。また、軍勢が勢いよく集まるという意味合いもあります。
江戸時代以前、この勢溜の鳥居の場所は海岸線に続く砂地であり、砂丘であったと言います。
あまり気付きにくいのですが、神門通りから勢溜の鳥居へ向かう参道は緩やかな坂道になっているのに気づきます。
逆に勢溜の鳥居から御本殿へ向かう参道は逆に下り坂になっており、これらの地形を鳥瞰すると勢溜の鳥居の周辺だけが丘状に盛り上がっていることになる。
参道
勢溜の鳥居をクグるといよいよ神域の参道です。
この参道は「胎児のように無邪気な気持ちに立ち戻って、神の元に向かう」といった「
この産みの道、すなわち「産道」を1歩ずつ歩むことによって御本殿へと近づきますが、本殿へ近づく度に知らぬ間についた穢れが払われ、赤子のような純粋無垢の状態に近づくとも云われます。
すなわち、..ヒっヒっヒっヒっ・・といったような「邪心」のない、キレイな心・・つまり、清廉潔白(せいれんけっぱく)な気持ちに
勢溜の鳥居に関しては当サイトの以下↓の別ページにてご紹介しております。
祓社
勢溜の鳥居をクグると、次に参拝者を待ち受けているのが末社・祓社です。
参道を進むと右脇に小さなお社が見えます。
大半の方は、祓社の存在に気づかずにそのまま通過して御本殿を目指しますが、祓社で祀られている4柱の神々は「祓いのご利益を持つ神様」なので、人々の罪を祓い清めて頂けるありがたい神なのであ〜る。
できれば‥‥と言わず、必ず立ち寄り、本日までの知らぬ間に身体に付着した穢れを祓っておきたい。
祓社の御祭神
- 瀬織律比咩神
- 速開都比咩神
- 気吹戸主神
- 速佐須良比咩神
祓社に関しては当サイトの以下↓の別ページにてご紹介しております。
松並木に続く、出雲大社の3つ目の鉄製の鳥居
さらに進んで橋を渡ると松並木に続く3つ目の鉄製の鳥居がありま
この鳥居をくぐると松並木の参道に到り、
こうして序々に本殿礼拝までの参拝の準備は整えられていく。
松並木の参道に関しては当サイトの以下↓の別ページにてご紹介しております。
最後は拝殿前の出雲大社の4つ目の銅鳥居
松並木の参道を歩き終えると4つ目の鳥居である「銅鳥居」が眼前に現れます。
しかしまずは、この銅鳥居の手前にある「手水舎」で手と口を浄めます。
そして、この銅鳥居をくぐる時には本殿礼拝の態勢が素敵に整えられているハズです。
以上、これまでで解説したように4つの鳥居やそこに到るまでの参道ならびに関係社を礼拝を順番に礼拝していくことで「穢れを祓い」、「本殿礼拝までにしっかりと心を整える」といった参拝準備ができることになる。
全てが整った体勢にて本殿(拝殿)礼拝を臨むことで、いつにも増してありがたいご利益にあやかれるというもの。
銅鳥居に関しては当サイトの以下↓の別ページにてご紹介しております。
そもそも鳥居は「母親の産道」を意味する
そもそも鳥居は「母親の産道」を意味するものとも素敵に云われる。
さらに、上述ような「鳥居クグりの効果」に加えて、
これらの相乗効果で、
鳥居をくぐることから始まる、出雲大社の正しい参拝方法について詳しくは、当サイトの以下のページ↓でご紹介しています。
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