出雲(IZUMO)・八大荒神社(HACHIDAI-KOU-JINJA)

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出雲(IZUMO)・八大荒神社(HACHIDAI-KOU-JINJA)

八大荒神社

創建年

不明
1717年(享保2年/江戸時代)以前

再建年

1778年(安永7年/江戸時代後期)

建築様式(造り)

  • 本殿
    切妻造
    妻入
  • 拝殿
    入母屋造り
    平入
    正面向拝付き
屋根の造り

本瓦葺

御祭神

玉依姫命

例祭日

10月24日(例大祭)

出雲・八大荒神社の読み方

八大荒神社は「はちだいこうじんじゃ」と読みます。

八大荒神社の別名

別名で「仮の宮荒神社」とも呼称するようです。




八大荒神社の名前の由来

八大荒神社は「八大」と「荒神社」に分けて読むことができます。

「八大」は「八大龍王」のことを指し、八大龍王とは「竜族の八竜の王」のことです。

八竜の王

  1. 難陀(ナンダ)
  2. 跋難陀(ウパナンダ)
  3. 娑伽羅(サーガラ)
  4. 和修吉(ヴァースキ)
  5. 徳叉迦(タクシャカ)
  6. 阿那婆達多(アナヴァタプタ)
  7. 摩那斯(マナスヴィン)
  8. 優鉢羅(ウッパラカ)

八大龍王は従来から「降雨」や水に関しての厄災消除のご利益を持つ神様として、日本中で祭祀されてきた歴史があります。

また「海の神様」でもあります。

実は神仏習合の時代には「八大荒神」という神様が実際に存在していたようで、日本中の庶民層にまで広がったいた「荒神信仰」と仏教の八大龍王が習合して生まれた神であると考えられています。

ただし、ここで疑問が出てくるのですが、現在の八大荒神社の御祭神は「玉依姫命(たまよりひめのみこと)」です。

御祭神が玉依姫命である理由は、現在も”八大荒神”の名前が残っているということは、江戸時代以前に「八大荒神(八大龍王)」が祭神(ご本尊)として祭祀されていた名残であると考えられます。

明治初頭に公布された「神仏分離令」によって同様のご利益を持つ玉依姫命があてられたと考えられます。

八大荒神社の御祭神「玉依姫命」

玉依姫命は「大綿津見神(おおわたつみのかみ)」の娘神であり、大綿津見神は海の神様です。

大綿津見神の両親は有名なイザナギ神とイザナキ神です。

玉依姫命と言えば、京都・上賀茂神社の主祭神「賀茂別雷命(かもわけいかづちのみこと)」の母親でもあります。

鴨川の淵で洗濯をしていたところ、上流から丹塗矢が流れてきて、この矢に触れると身ごもって賀茂別雷命を生んだと伝わっています。

玉依姫命は巫女の祖先神とされており、芸能や安産、子授けのご利益をもつ神様ですが、上述のように父神の大綿津見神の影響から海のご利益や、鴨川での縁起から川などの水全般に関するご利益をもつ神様でもあります。

以上のように水に関してのご利益があることから「八大龍王(八大荒神)」に成り代わって御祭神として勧請されたのだと考えられます。




出雲には荒神社多い‥‥なぜ?

実は出雲大社の周辺だけでなんとぉぅ!この八大荒神社を含め10以上の荒神社があります。

出雲大社周辺付近の荒神社一覧

杵築地区

大字杵築南 前原荒神社
大字杵築東 越峠(こえど)荒神社
大字杵築東 大鳥居荒神社
大字杵築東 新町荒神社
大字杵築西 大土地荒神社
大字杵築西 赤塚荒神社
大字杵築西 森荒神社(お客さん)
大字杵築西 山辺荒神社(赤人さん)
大字杵築西 赤塚荒神社
大字杵築西 南本通荒神社
北島国造家境内の荒神社
千家国造家付近の荒神社
仮之宮荒神社 (八大荒神社)

荒木地区

大字修理免 西原荒神社
大字北荒木 北荒木総荒神社

本郷地区

本郷荒神社

出雲大社周辺に荒神社が多い理由

古来、出雲地方では荒神を出雲の古代神として捉え、荒神を水の神であり、大地の神として信仰してきた歴史があります。

このような荒神の有り様を「出雲の大神」として捉え、篤く崇敬してきたのでしょう。

古来、出雲では新年明けての祭典や格別の祭典時には歳神と共に荒神、すなわち出雲の御祖神を奉斎した歴史があったとも云われます。

その名残の一端がこの八大荒神社でその付近にある大歳社であるとすれば‥‥少しロマンが満ち満ちてきませんか?

荒神=スサノオ?

な出雲の大神と言えば「大国主大神」が浮かびますが、実は鎌倉時代の出雲大社の御祭神は「スサノオノミコト」だったのです。

スサノオ神と言えば現在でも「荒ぶる神」として尊崇が寄せられ、荒ぶるパワーの力で病魔を寄せ付けないとされることから、疫病退散のご利益などで知られています。

その荒ぶる神の「荒神」と、同じ荒ぶる神の「スサノオ」、これらの神が結びつくのは時間の問題だった‥‥ということでしょうか。

なお、このことを裏付けるかのように出雲大社の素鵞社で授与しているお札は神職曰く、竃(台所)へお祀りするのが本来の在り方のようです。

出雲大社・八大荒神社の歴史・由来

八大荒神社は奉納山付近周辺の氏神さまで、古来、地元の人々から篤い崇敬が寄せられています。

出雲大社の勢溜から西へ(海の方向へ)約15分ほど歩くとやがて「奉納山」と言う小山が見えてきます。

この山は歌舞伎で有名な「阿国(おくに)の塔」がある場所としても有名です。

そしてこの奉納山にはもう1つ忘れてはいけない見どころがあります。

その見どころこそが「八大荒神社」です。

「八大荒神社」は時代は定かではありませんが「仮の宮荒神社」と呼称されていた時代があったそうです。

以後、江戸時代の初頭まで「仮の宮荒神社」と呼ばれていたようですが、時代を経る過程で「八大荒神社」と呼ばれるようになったそうです。

「仮の宮」とは地名のことであり、八大荒神社の住所が「島根県出雲市大社町杵築北”仮の宮”」になります。

同様に付近に位置する「上の宮」が「仮宮」と別名で呼称されるもの地名が関与しているものと考えられます。

出雲大社・八大荒神社の境内の見どころと境内社

八大荒神社は単一の神社ではなく、近く(奉納山山頂)には出雲手斧神社(いずもておのじんじゃ)があります。

出雲手斧神社はかつてはこの八大荒神社の後方に祠(ほこら)が築かれてお祀りされていたようですが、現在は山頂に移されて大きな社殿でお祀りされています。

八大荒神社の場所

住所:島根県出雲市大社町杵築北2951

八大荒神社へのアクセス(行き方)

 出雲大社本殿から神楽殿前を通過して阿国寺などを経由して徒歩約25分

 八大荒神社から阿国の塔を経由して山頂まで徒歩約20分

 最寄りバス停:奉納山入口バス停下車

グーグルマップで表示すると車道を通行する表示になりますので遠回りで表示されますが、実際は階段があるのでもっと距離と所要時間は短縮されます。良かったわねぇウフ

徒歩の場合

「出雲大社・観光センター」から431号線を稲佐の浜方向へ

↓(所要時間約21分)

「仮の宮四のT字路」を右折(一畑バスの奉納山入口バス停付近)

⬆️仮の宮四のT字路。右折する!

↓(所要時間約7分)

奉納山山頂へ(合計所要時間:約28分)

上記、阿国の墓から奉納山山頂までは徒歩約13分です。

一畑バスを利用する!

  • 最寄りバス停:一畑バス日御碕・大社線「奉納山入口バス停」※時刻表

出雲大社観光センターから一畑バス「日御碕灯台行き」へ乗車して「奉納山入口バス停」で下車(運賃150円)。上記、仮の宮四のT字路へ向かって歩き、徒歩約7分ほどで到着できます。

なお、奉納山の入口は「仮の宮四のT字路」を右折してすぐのところにあります。入口は階段になっており、奉納山の山頂を目指して登っていく形になります。

⬆️奉納山の入口。左側の鳥居が八大荒神社の鳥居。阿国の塔までは右側の階段を登って徒歩約5分くらい。

【補足】おすすめの観光モデルコース

阿国寺阿国の墓阿国の塔出雲手斧神社八大荒神社大歳社(摂社)上の宮(摂社)⇒下の宮(摂社)稲佐の浜御砂を採取)⇒屏風岩(大国主神の国譲り場所)因佐神社素鵞社出雲大社境内/御砂をいただいて持ち帰る

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