出雲大社(IZUMO-OYASHIRO)・御手洗井(MITARASHI-NO-I)
「御手洗井」の読み方
「御手洗井」は「御手洗井(みたらしのい)」と読みます。
「御手洗井」の名前の由来と「神事・ご利益」
「御手洗井」とは、神事の際に「手などを洗い清めるため」の「神水が湧き出る井戸」として「御手洗井」と通称される。
御手洗井は全国にある!
御手洗井とは、出雲大社にだけある特別な井戸ではなく、日本各地の神社でも見かけることができます。(大抵の神社の場合はフタがしてあります)
御手洗井に関連した行事が日本中の各々の神社で執り行われています。
御手洗井のお水は「神水」と呼ばれ、神様が宿る依り代とされ大切にお祀りされています。
神様は神聖なお水にその身を宿らせ、人々に御神徳をお授けになられます。
御手洗井に関連した行事とは、夏の時期に流行する「疫病」からお守りいただき、秋のお米ができる時期に「豊作」を祈願するものです。
このように神事が執り行われる事から、年に1度だけ井戸の口が開かれます。
出雲大社・涼殿祭(すずみどのまつり/りょうでんさい)
出雲大社では、毎年「涼殿祭(すずみどのまつり/りょうでんさい)」という祭事があります。
この御手洗井から、東方向へ100mぐらい離れた「真名井・出雲の森」までの道に砂が盛られ、「真菰(まこも)」が大量に準備されます。
「真菰」とは、後述しますが「イネ科の植物」です。
そして出雲の森に神職一同が集い、神事の準備を行います。準備を行っている神職の方々も夏用の麻地の白い祭服姿で涼しそうに見えます。
準備が整うと、盛砂はホウキでならされて細い砂の道になります。そして、その砂の道の上に真菰の小さな束が数十センチ間隔で置かれます。
宮司は、この砂と真菰を踏みながら大御幣(おおごへい/2本の紙垂を付けた木の棒=祭事用の道具)を奉持(捧持)して進みます。
その周囲には住民の方や参拝に来られた方々が大勢いて、宮司に踏まれた真菰を拾いながら進みます。
「真菰のご利益」と「真菰の神事の別名」
宮司に踏まれた「真菰」を持ち帰ると、その夏の「無病息災」と「五穀豊穣」が実現するそうです。
この神事は遠い昔、出雲大社の主祭神「大国主大神」が暑い夏の猛暑をしのぐために、「真名井・出雲の森」でお涼みになられていた由来に基づく神事です。
ちなみに「涼殿祭」は毎年6月1日に行われるもので、上述の「真菰」を使うことから別名で「真菰の神事」とも呼ばれています。
ところで・・真菰とは??
真菰は水辺の湿地に群落をつくって生い茂るイネ科の植物です。葉や茎は1mほどになります。
昔は大きく育ったマコモは食用として食されてもいたようです。また、砂にも御利益があるため、袋に入れて持ち帰る方もいらっしゃいます。
地元に古くから根ざした、ほのぼのとした祭典です。
出雲大社・御手洗井の場所(地図)
「御手洗井(みたらしのい)」は、「銅の鳥居/4の鳥居」の向かって「東側」に位置しています。
関連記事:島根県・出雲大社の境内の詳細「案内図(地図・マップ)」(ダウンロード可能)
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