出雲大社(IZUMO-OYASHIRO)・因佐神社(INASA-NO-KAMINO-YASHIRO)【境外・摂社】
創建年
不明
再建年
1744年(延享元年/江戸時代後期)
2015年(平成27年)
建築様式(造り)
大社造
妻入
大きさ
四辺:1間
屋根の造り
檜皮葺
切妻造
御祭神
建御雷神
社格
出雲大社・境外摂社
例祭日
1月13日、5月13日、9月13日、12月25日
出雲・因佐神社の読み方
因佐神社は「いなさのかみのやしろ・いなさじんじゃ」と読みます。
また別名で「伊奈佐乃社」「速玉社」とも呼称するようです。
出雲・因佐神社の御祭神「建御雷神」
火神軻遇突智と建御雷神
建御雷神は「たけみかづちのかみ」と読みます。建御雷神の父神は「火神軻遇突智(ひのかみかぐづち)」という神様です。
この神様にはちょっとしたエピソードがあって、イザナミ神から産まれ出でる時に、火の神であるが故にイザナミ神を焼き殺して産まれてくることになります。
しかしイザナミ神を殺され怒り狂ったイザナギ神が、産まれたばかりの火神軻遇突智を切り殺してしまいます。
その後、火神軻遇突智の骸より流れ出た血から生まれた神こそが建御雷神です。
建御雷神は瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の天孫降臨が成立する前に天孫降臨を成功に導いた神様でもあります。
天孫降臨を実現に導いた神「建御雷神」
天孫降臨(てんそんこうりん)とは、大国主大神が繁栄させた「葦原中つ国(あしはらなかつこく)/現在の日本」を、天照大御神が自らの子孫に治めさせると発言されたことに端を発するものです。
天照大御神が発言された後、様々な神が地上(蘆原中つ国)へ派遣されますが、ことごとく大国主大神に断られ、もしくは退けられています。
そこで最後の希望として、上述の建御雷神が選出され「天鳥船(あめのとりふね)」という船に乗って地上世界へ降りてくるのです。
建御雷神が選ばれた理由は早い話が「力が強く、自我が強い」からです。
地上世界へ降りた建御雷神は自らが持つ力を振るい大国主大神を屈服させてしまい、ついに念願の国譲りに同意させることに成功します。
建御雷神は春日大社や鹿島神宮でも祀られているメジャーな神様!
その他に建御雷神にまつわる有名なエピソードとしては、後に神武天皇が熊野平定(東征)の際、困難に陥った時に自らの愛刀の1つである「韴霊剣(ふつのみたまのつるぎ)」を神武天皇へ下賜して(与えて)東征を手助けしています。
以上のことから皇室とも関わり合いの深い神様になります。
また建御雷神と言えば、鹿島神宮(かしまじんぐう/茨城県鹿嶋市)に鎮座される神様として有名ですが、768年頃/奈良時代に春日山に降臨されて現在では世界遺産として有名な春日大社(奈良奈良市)を創建されています。
よって鹿島神宮に鎮座されながら、春日大社の主祭神としても祀られている、なんともご多忙な神様でもあります。
出雲・因佐神社の歴史・由来
この因佐神社は出雲大社の境外・摂社の社格をもつ由緒ある歴史をもつ社です。
摂社とは「せっしゃ」と読み、出雲大社の御本殿お祀りされている主祭神(大国主大神)と深い関係のある祭神が祀られた社になります。
事実、大国主大神との関係性は上述で説明済みです。
出雲の地に古くから伝わる「出雲国風土記」によると「伊奈佐乃社」と書かれた記述が見つかっており、「伊奈佐乃社」こそが因佐神社の旧称だとする説が有力視されています。
また、「日本神社総覧」においては「速玉社」と書かれた記述が見つかっており、これが現在の因佐神社のことである可能性が示唆されています。
このことは古来、地元で「速玉さん」と親しみをもって別名で呼ばれていたことにも起因するものです。
「速玉社」の記述が見つかったということは、その昔、和歌山県新宮にある「熊野速玉大社」に鎮座される「速玉男命」が祭祀されていた可能性も示唆されます。
「熊野速玉大社」と言えば「熊野三山」の一角であり、出雲国の一宮(いちのみや/=当該地域において最も社格が高い神社)である”出雲・熊野大社”とも深い関係をもつ社ということになります。
以上のことから、その昔「出雲・熊野大社」と、この因佐神社が深い関連性があったとも考えられます。
因佐神社が「出雲の隠れたパワースポット??」
実はこの因佐神社にはちょっとした言い伝えがあって、なんでも因佐神社の鳥居をくぐり境内に入ってから誰とも一言も話さず(口を聞かずに)に参拝して、再び元来た鳥居から出ることができれば、なんと!願い事が成就すると伝えられています。
縁結びの出雲に因んで「恋愛沙汰の願い」を成就させたい方は是非!この因佐神社へも参拝に訪れてみてください。
御祭神・建御雷神のご利益
主祭神の建御雷神は武神であることから、勝負事に関してのご利益(勝運向上)、魔除け・厄除けのご利益があります。
因佐神社の場所(地図)
住所: 島根県出雲市大社町杵築北
因佐神社へのアクセス(行き方)
因佐神社は稲佐の浜の前を通る29号線を北側へ進み、民宿・白砂の奥に位置する屏風岩(びょうぶいわ)を正面にみて、左側の道を進んだ先に位置します。
民宿白砂は目の前が稲佐の浜であり、夏の海水浴には最適な民宿です、雰囲気はアットホームなので、出雲神話の話や出雲観光についても詳しく色んな話に応じてくれます。
稲佐の浜からの所要時間・距離
所要時間:徒歩約6分
距離:400m
屏風岩からの所要時間・距離
所要時間:徒歩2約
距離:130m
勢溜の鳥居からの所要時間・距離
所要時間:徒歩約23分
距離:1.8Km
【補足】おすすめの観光モデルコース
阿国寺⇒阿国の墓⇒阿国の塔⇒出雲手斧神社⇒八大荒神社⇒大歳社(摂社)⇒上の宮(摂社)⇒下の宮(摂社)⇒稲佐の浜(御砂を採取)⇒屏風岩(大国主神の国譲り場所)⇒因佐神社⇒素鵞社(出雲大社境内/御砂をいただいて持ち帰る)
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