龍蛇神講大祭の読み方
龍蛇神講大祭は「りゅうじゃじんこう たいさい」と読みます。
「龍蛇神講大祭」は、例年、神迎祭の翌日の旧暦10月11日の午前11時頃から境内・神楽殿にて開催される祭典であり、一般の方が参加できない神事になります。
「講(こう)」とは、宗教行事を行なう集団、もしくはその行事や会合を指す言葉です。本意は「講義」の講によるものです。
「龍蛇神講大祭」の内容
龍蛇神講大祭の内容は新しく入会された方々のために「龍蛇神様の歴史や解説」そして「特別祈祷」と「直会(なおらい)」他、諸々の説明があります。
直会では「御神酒」を神職さんや巫女さん、集まった信仰者の方々でいただき、龍蛇神の御神徳を授かります。
直会は本来は神前に供えた膳を神酒と共にいただきます。
「直」は「なおる」の意で親善にて膳をいただくために座すると言う意味合いをもちます。
会は「かいする」の意で神職さんや巫女さんを含め、寄り集まった方々で会するの意味合いをもちます。
これらのことから直会とはつまり「神人共食(しんじんきょうしょく)の儀式」のことです。
龍蛇神様と共に食事をすることで「ありがたい御神徳(ご利益)」を授かります。
龍蛇神講大祭に参加できる人はどんな人?
出雲大社の「龍蛇神講大祭」に参加できる人は、出雲大社が主催する「龍蛇神講」と言う、会に入会された方だけです。
出雲大社およに出雲地方では、遠い昔から「海蛇」を神の使いとして崇めてきました。
そして、この海蛇様の信仰を後世まで語り継ぐために「龍蛇神講」という、信仰会を設立しています。
龍蛇神講の会員になるための加入方法
龍蛇神講へのご加入は、まず入会する初穂料(料金)として5000円必要です。
さらに毎年、伝統ある会の存続と、海蛇様を敬う心遣いも込めて3000円が必要になります。
毎年、出雲大社の神在祭に参加してシュールな神事を目の当たりにし、心を洗われ、入会する方が非常に多いといいます。
最近では、特に若い女性の方々の入会者も多く見られます。
お問い合わせ先「出雲大社・出雲大社教」
- 住所: 島根県出雲市大社町 杵築東195
- 定休日:なし※年中無休
- URL:http://www.izumooyashirokyo.or.jp/400_06_ryujyajinko-taisai.html
龍蛇神とは?
日本にはその昔、「蛇」を神と崇める信仰がありました。
蛇は穀物を荒らすネズミなどの小動物を捕食することから「厄災消除」、「五穀豊穣」の守り神として、もしくは蛇は「脱皮」をして何度も生まれ変わることから、「生命の誕生の象徴」として、もしくは多産・「子授けの神」としても信仰が寄せられていました。
実は古代の人々は蛇を、たいそう恐れていたと言う説もあり、蛇を水の神として崇めることで蛇への恐怖を和らげました。
それとは別に大陸から伝来した「龍」の信仰もあり、龍は水の神として「水難避け、火難避け」の守護神として崇められていました。
他に龍と言えば出雲とも関わり合いの深かった神様がいます。
どんな神様かお分かりになりますか?
その神様こそがかつての出雲大社の主祭神「須佐之男命」です。
仏教から派生して誕生した神仏習合によって、同様の「疫病退散」「邪気退散」の利益をもつ「牛頭天王(ごずてんのう)」と「須佐之男命」とが習合し「龍神信仰」が誕生しました。
龍神と呼称されたのは当初、なんと!龍の姿形をした神様だったからです。
そして、龍と蛇が習合したものが龍蛇神であり、すなわち「龍蛇信仰」になります。
現在でも龍蛇神は「家内安全」や「一家繁栄」「厄災消除」などのご利益があると信仰されています。
特に出雲地方では毎年11月(旧暦10月)になると海が荒れて多くのウミヘビが漂着して浜辺に打ち上げられることから「お忌みさん荒れ」と呼称され、いつしか八百万神々を先導してきた神として神聖視されて崇められるようになっています。
この昔からの信仰が今でも変わらず根付いているものです。
なお、「龍蛇様」とは、正式には「セグロウミヘビ」と称される猛毒を持つとされる南米のウミヘビの一種です。